実家を相続したけれど、何から手をつければいいのか分からない。

家の中には家具や思い出の品が残っていて、売るのもためらう。かといって、自分が住む予定もない。離れて暮らしているため、管理に通うのも難しい。

そんなときは、まず「今、確認が必要なこと」と「これから決めること」を分けてみましょう。

実家のこれからには、売る・貸す・持ち続けるという選択肢があります。どれが合うかは、建物の状態、ご家族の希望、維持できる費用によって変わります。

この記事では、相続した実家について、最初に確認したいことと、選択肢を比べるポイントをご紹介します。

最初に確認したい3つのこと

1.家に危険や近隣への影響はないか

まず確認したいのは、建物と敷地の状態です。

・屋根や外壁の一部が落ちそうになっていないか
・雨漏りや水漏れが起きていないか
・窓や扉が壊れ、人が侵入できる状態になっていないか
・庭木や雑草が隣地や道路にはみ出していないか

危険がある場合は、売却や活用の検討より先に、安全確保の対応が必要です。建物が傾いている、床が抜けそうなどの異常がある場合は、無理に中へ入らず、自治体や建物の専門家に相談しましょう。

現地へ行けない場合も、誰が状況を確認できるかを決めることが第一歩です。

2.名義や手続きの状況はどうなっているか

次に、土地と建物が誰の名義になっているか、ご家族の間で引き継ぐ人が決まっているかを確認します。

手元にあれば、登記の書類、固定資産税の通知書、遺言書の有無が分かる資料などを整理しましょう。書類がそろっていなくても、何が分からないのかを書き出すことから始められます。

相続には期限のある手続きがあります。

相続登記は、原則として、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が必要です。以前の相続や遺産分割後の手続きなどでは確認すべき点があるため、法務局や司法書士に状況を伝えて確認しましょう。

また、相続放棄を検討している場合は、原則として、自分のために相続が始まったことを知ったときから3か月以内の申述が必要です。売却や家財の処分を進める前に、早めに弁護士などへ相談してください。

「家をどう使うか」と「期限のある手続き」は、分けて考えることが大切です。

3.ご家族の希望と、管理に使えるお金・時間

ご家族の中でも、実家への思いはそれぞれ異なります。

「できれば残したい」
「誰かが使ってくれるなら貸したい」
「今後の負担を減らしたい」

最初から結論をそろえる必要はありません。まずは、それぞれの希望と、管理を続ける場合の負担を確認しましょう。

確認したいのは、次のようなことです。

・今後、住む人や使う予定があるか
・現地の見回りや草刈りを誰が行うか
・税金や修繕費をどのくらい負担できるか
・いつ頃までに方向性を決めたいか

今後使う予定がなく、維持管理の負担を減らしたい場合は、売却が選択肢になります。

選択肢① 売却する

売却が完了すれば、その後の建物管理や維持費の負担を手放せます。一方で、希望する価格や時期で売れるとは限りません。

売却を検討するときは、価格だけでなく、次の点も確認しましょう。

・建物を残した状態で売れる可能性はあるか
・家財や荷物をどこまで片付ける必要があるか
・測量、片付け、仲介などに費用がかかるか
・費用や税金を差し引いたあと、いくら残るか

古い家だからといって、必ず先に解体する必要があるわけではありません。

解体を依頼する前に、建物を残して売る場合と、更地にする場合の両方を比較しましょう。

選択肢② 修繕して貸す

家を残したい、誰かに使ってもらいたいという場合は、賃貸を検討する方法があります。

ただし、「貸せば家賃が入る」だけで判断せず、地域に借り手の需要があるか、貸せる状態にするまでにいくら必要かを確認することが大切です。

・期待できる家賃はいくらか
・安全に住める状態にするための修繕費はいくらか
・入居者が決まらない期間の費用を負担できるか
・入居後の故障や修理に誰が対応するか
・管理を依頼する場合、いくらかかるか

家賃収入が、そのまま手元に残るお金になるわけではありません。

税金、保険、管理費、修繕費などを含めて、無理なく続けられるかを考えましょう。

選択肢③ 管理しながら持ち続ける

将来自分や家族が使う予定がある場合や、まだ気持ちの整理がつかない場合は、管理しながら保有を続ける選択肢もあります。

その場合は、「誰が・どのくらいの頻度で・何を確認するか」を決めておきましょう。

・建物の見回り、換気、雨漏りの確認
・庭木や雑草の手入れ
・郵便物や近隣からの連絡への対応
・税金、保険、修繕費の支払い

自分で通うことが難しい場合は、管理を依頼する費用も比較します。

また、「半年後に家族で再検討する」など、見直す時期を決めておくと、方向性が決まらないまま負担だけが続くことを防ぎやすくなります。

迷ったときは、同じ条件で比べましょう

売る・貸す・持ち続ける。それぞれを、次の4つの項目で比べてみてください。

最初に必要なお金
片付け、修繕、測量などにいくらかかるか。

その後もかかるお金
税金、保険、管理、修繕などの負担がどのくらい続くか。

自分や家族の手間
現地へ通う回数や、連絡・手配の負担はどのくらいか。

将来の希望
家を残したいのか、使いたいのか、負担を減らしたいのか。

価格や家賃の数字だけでは、ご家族に合う答えは決まりません。費用と手間、そして気持ちを一緒に整理することが大切です。

相談前に、全部を片付けなくても大丈夫です

「荷物が残っているから、まだ相談できない」
「名義もよく分からないから、先に調べないといけない」

そう考えて、相談を後回しにする必要はありません。

まずは、分かる範囲で次の3つをお知らせください。

・実家がある市町村
・現在、誰かが住んでいるか、空き家になっているか
・今、いちばん困っていること

写真や書類は、必要なものを確認しながら整理していけば大丈夫です。危険のある建物に入ったり、相談のために無理に片付けたりする必要はありません。

苅田町・行橋市・築上町の相続不動産・空き家のご相談

そうぞく不動産、たすけたい。

「そうたい」は、相続した実家や空き家について、今の状況と、これからの選択肢を整理する相談窓口です。

売却を前提にせず、持ち続けること、貸すこと、売ることを、ご希望と物件の状況に合わせて一緒に考えます。

登記・税金・法律上の判断など、専門資格が必要な事項については、司法書士・税理士・弁護士などへの相談が必要です。売買や賃貸の仲介が必要な場合は、宅地建物取引業者の業務となります。

まだ売るか決めていない方も、何から始めるか分からない方も、まずは現在の状況をお聞かせください。

相続した実家・空き家について相談する
当サイトの「お問い合わせ」からご連絡ください。

⸻

手続きについての参考情報

・法務省:相続登記の申請義務化に関するQ&A
・裁判所:相続の放棄の申述

本記事は一般的な情報をご案内するものです。個別の手続きや期限は、ご自身の状況に応じて各窓口・専門家へご確認ください。